阿蘇の土、藁、そして馬刺し。一枚のお皿の上で起きる「循環」とは?
『天霜の雫』ファンドの出資者の皆さま、そして温かく見守ってくださっている皆さま、こんにちは。 プロジェクト担当の大隅です。
私事ですが、昨日、年に一度の愉しみで簗場へ鮎を食べに行ってきました。
頭からガブリと丸ごといただくとき、いつも、心の底から有り難さが込み上げてきます。
鮎は頭も骨も全部食べられるからこそ、「あぁ、自分はいま自然の命をいただいているんだな」という神聖な気持ちになるんです。
川も、山も、社会も、すべての命や恵みが巡り巡って助け合い、繋がっているから自分が生かされている。
普段の生活でつい忘れそうになるその感覚を、鮎を食べるたびに思い出します。
そんな体験をするために、年に一度、楽しみにしているのですが、昨日ふと思いました。
この、プロジェクトの趣旨と同じだなと。
阿蘇の草を食べて育った馬という命。 阿蘇の赤土や木の灰を焼き固めてできた器。
同じ風土から生まれたもの同士が一つのお皿の上で出会う。
馬刺しという命を、その大地から生まれた器で受け止める。
食を通じてそんな「自然の繋がり」を直接体験し、
五感で楽しんでいただくこと。そして、伝統技術と自然の恵みが心地よく巡り続ける、
新しい循環のインフラをこのプロジェクトから作っていきたいのです。
その一滴が、熊本の土地を、森を豊かにします。今回は熊本の歴史と今を紡ぐ4つの窯元さんの器を紹介します。
◾️玄窯(齊藤博之さん)
パリをはじめ海外でも絶賛されている齊藤さん。海外のファンが多く、土のゴツゴツした素朴さの中に、どこか金属のような不思議な光沢があるんです。馬刺しの鮮やかな赤身や霜降りがこの渋い質感の上に載ると、色彩が劇的に跳ね上がります。「器で料理の見え方がここまで変わるのか」と納得していただけるはずです。
◾️小代焼 一先窯(山口友一さん) 約400年続く熊本の伝統「小代焼」を継ぐ一先窯さん。実は、器に使われている釉薬は、藁を燃やした灰から作られています。馬が食む藁と、器を彩る藁。食と器が同じ循環の中でつながっていることを、一番わかりやすく教えてくれるお皿です。
◾️御船窯さん(津金 日人詩さん) そして先週、まさに窯から出たばかりの出来立ての器が届きました。御船の土と職人さんの手が作り出した質感は、生命力があります。使い込むほどに味わいが増す土の温もりを、手に取って感じてみてください。
◼️肥後の秘窯(特別枠) そして最後に、お名前を明かせない特別な一皿を用意しました。 熊本の歴史を深く見守ってきた系譜と、その静かな美学をいまに受け継ぐ方が、今回のために特別に焼き上げてくださったものです。なぜ名前を出せないのか、そしてなぜこの佇まいなのか—その理由が届けば分かります。家宝や大切な方への贈り物に。
熊本の大地が育んだ「馬刺し」という命。 熊本の土と炎が生み出した「4つの器」。
一つ一つもご紹介していきます。
一枚のお皿の上で重なり合う熊本の風土を、重なって初めて一つの作品となります。ぜひ五感で味わってみてください。