影山の木曜カフェタイム 2026年6月14日 18:30

vol16.【100年】| 2022.9.8 配信「木曜カフェタイム」

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こんにちは。影山知明です。
木曜カフェタイム、16回目の投稿となります。

14年前、自分のカフェを始めたときのオープン前日。前夜祭のようになった場で自分があいさつをする流れになり、工事や準備でお世話になった方々を前にこんな風に話をしたことがありました。

「50年続くお店をつくりたい」

オープンまで本当に丁寧で素晴らしい仕事をしてくださった職人さんたちに対し、その仕事を心を込めて引き継ぎますという決意を伝えたくて、とっさに出てきた言葉でした。
そのときは、それほどには深い考えもなく出てきた言葉だったのですけど、以来、お店づくりを進める過程で、その問いはずっと自分たちの中で反響し続けていったのです。

「50年続くお店をつくるにはどうしたらいいか」

50年後と考えると、自分はもうこの世にいない可能性がある。
あるいはいたとしても、経営者はもう自分ではないはず。それでもお店が続いているということは、その襷をつないでいいと言ってくれた人がいたということ?
そんな風に思ってもらえるような事業ってどんな事業だろう。
50年と考えると、流行り廃りを追い過ぎるのはよくないよな。50年が経っても必要としてもらえる、本質的な仕事ってなんだろう。
逆に、50年前から変わらず残っているお店や商品にはどんなものがあるかな。

そんなことを自分自答する、一つ一つの仕事のありようを考える上での背骨となるような問いになってくれたのです。

「寺田と話していたのですが、僕たちには夢があるんです。それは、自分たちが死んだ後にも長く事業を残していきたいということです。きっと、ウイスキーやブランデー、ワインは100年後も200年後も人がいる限り、あまり変わらない作り方や味が残っていくのだと思います。
大きな夢ですが、例えば1000年後に残せるようなお酒の事業を今つくることは、この地域に対して僕たちができる一番の恩返しだと思います」

ファンドでご一緒させていただいているマオイ蒸留所、林さんの言葉です。
100年を超える時を想像するということは、自分の撒いた種の実りを、自分では得られない可能性さえあることを受け入れることです。
自分の次の世代、さらに次の世代、さらに……のためにと。

そして同じ北海道で、マオイ蒸留所から約100キロ。これまたファンドでご一緒させていただいている登別グランドホテルは1938年創業。
こちらは逆に、100年近い歴史を持つ事業です。
登別の地を、温泉観光地として開いた栗林五朔氏。100年前、彼はどんな心境だったのでしょうか。100年後の登別を想像するようなことはあったのでしょうか。

「私たちは、登別温泉街の歴史に深く関わってきた一族として、誇りを持って本事業を遂行します」
五朔氏から数えて五代目にあたる、栗林広行さんの言葉です。

これまで、100年。
これから、100年。

未来は予測できません。
さらには、何事も続くことばかりがいいことではないのかもしれません。

ただ、一人の人間の寿命を超えて引き継がれる思い。
自分たちの仕事をそうたらしめてくれている大きな流れのようなものへの敬意と感謝。
そしてそれを次の世代へとつないでいこうとする決意。
そうしたものに触れたとき、自然と応援したい気持ちになるのもまた、自然な人間の気持ちなのかもしれないなと思います。


〜2022.9.8 配信「木曜カフェタイム」〜 
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※ この記事は、2022年当時にメルマガで配信されたエッセイのアーカイブ公開です。文章内の出来事や、影山知明氏の役職(当時:副社長COO)をはじめとする各種情報は、すべて当時の状態のまま掲載しております。あらかじめご了承ください。

※ 影山知明氏の最新の活動は「ぶんじキャピタルマーケット」をご覧ください
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